エクソソームは細胞から放出され、血液の流れにのって全身を巡ります。その際に、エクソソームに含まれるマイクロRNAやメッセンジャーRNAが体内のあらゆる臓器に属する細胞とコミュニケーションを取り、さまざまな行動を起こさせます。たとえば、 「代謝を促進せよ」 「血管をつくれ」 というようなことです。
このようなコミュニケーションは、「腸の細胞から脳の細胞へ」 「腎臓の細胞から腸の細胞へ」 といったように様々な細胞間でも行われますが、その間にも情報のメッセンジャーであるエクソソームの存在が必要不可欠と言えます。
これまでの常識では、こうしたコミュニケーションはすべて脳を介して行われていると考えられていました。しかし、エクソソームの研究を通してそれだけではないということが分かってきたのです。例えば、食べ物をたくさん食べすぎると、体は自然と代謝を高めてこれを消費しようとするように、私たちが、普段健康に生活できているのは、それぞれの臓器が互いに連携してよりよい状態を保っているからです。
エクソソームを始めとした組胞同士が直接コミュニケーションを取り、それぞれの臓器を適切に動かしているという仕組みが、私たちの体が正常に機能させ、健康な状態を保っているのです。